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こんにちは。
今日も、揉めない相続をテーマに書かせていただきます。
【 遺言機能としての家族信託 】
家族信託で、「信託財産として受託者に管理を任せている部分」については、
契約書内に「相続が発生した時点で、財産を誰のものにするのか」を定めることで、
遺言の機能を持たせることができます。したがって、機能面で言えば、
信託の利用と遺言はほぼ同じ、ということになります。
しかし、遺言の場合は、誰に譲るかという「所有権の移転」で終わるため、
財産を受け取った人は、その財産を自分で管理する必要があります。
信託の仕組みで遺言の機能を持たせる場合には、単に財産を譲るだけではなく、
その財産については「受託者」という管理者を決めることになります。
例えば、高齢の母親が他界し、その財産を高齢の父親に渡そうと思った時に、
通常の遺言だと、財産を相続した父親がその時点で認知症を発症していたとすれば、
相続した財産の管理をするためには、成年後見人等が必要になります。
ところが、家族信託を使った財産の移転を行えば、単に財産を渡すだけでなく、
受益者を父親、管理する受託者を長男にすることで、認知症となった父親に代わって、
長男が財産管理を行える仕組みを残すことができる。
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今年は、ここまでです。
また、来年書かせていただきます。
皆様も、よいお年をお迎え下さい。
橋本 英行